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マニアック狩猟団〜夢幻十夜:01 [【MH3】怪物狩猟人・備忘録]

【01:マウンテンズ&モンスターズ】


 こんな人に会った。


キース(以下キ):こんばんはー、ご一緒して良いですか?
HUNTER(以下ハ):Welcome to the D&D world!
 歓迎の言葉を口にした男に、キースは冷静に応えた。
キ:D&D……すなわちテーブルトーク・ロール・プレイング・ゲーム(TRPG)、電源不要の会話と乱数によって行動判定されるファンタジーゲームの元祖的存在『ダンジョンズ&ドラゴンズ※1』の略称ですね。よろしくお願いします。
ハ:お、話せますね。さよう。そしてカプコンのアーケードゲームの集大成的4人同時プレイ可能なアクションゲームシリーズにおいて100円玉を投入し、プレイヤーボタンを押した時のSE(効果音・音声)でもあるのです。こちらこそ、よろしくです!
キ:ええ、存じています。1作目『タワー・オブ・ドゥーム』が出た時は友人一同、感激して狂ったようにプレイしたものです。続編の『シャドー・オーバー・ミスタラ』はアーケード4人同時プレイものの最高傑作ですね。思えば、カプコンは昔からD&Dを電子ゲーム化する事を目指していたように思うのです。『魔界村※2』シリーズや『マジックソード※3』など、西洋風のファンタジーに傾倒しているのは感じていました。
ハ:然り。D&Dは当時、版権問題をクリアできず、やむなくオリジナル作品として出したと言われるのが『ザ・キング・オブ・ドラゴンズ※4』ですね。
キ:エルフが弓を超至近距離で撃ちまくるシュールな様子がとても味わい深かったですね。
ハ:ええ、私はまるっこくて可愛いドワーフを愛用していました。さらには英国のアーサー王伝説の聖杯探索を主題にした『ナイツ・オブ・ザ・ラウンド※5』などで蓄積されたノウハウが後に版権問題をクリアできたD&D2作のリリースに繋がるのでしょう。カプコンに歴史あり。D&Dはカプコンの珠玉の作と言えましょう。
キ:スライディングゲーム※6ですけどね。
ハ:スライディング万能でしたね。
キ:そういえば、ゲイリー・ガイギャックス氏※7が……。
ハ:昨年、亡くなりましたね。偉大なゲームマンでした。
キ:( ̄人 ̄)合掌
ハ:(-人-)合掌


008.jpg



 チャットばかりもなんなので、2人でリオレウス討伐クエストへ行く。
クエストスタート。
キ:よろしくお願いしますっ。
ハ:よろしゅう頼みます!
キ:モンスターハンターは、まさにカプコンが作りたかったゲームそのものですね。
ハ:ええ、まさしく。ビデオゲームも3Dの時代になって表現の幅が広がり、非常に説得力のあるグラフィックの大迫力モンスターと戦えるのは嬉しいのですが……。
キ:……仰りたい事はわかります。お仕着せのような物足りなさですね。
ハ:ええ、想像力の余地が減ってしまったのは寂しいですね。映像が奇麗すぎます。
キ:それは時代の流れ。仕方のない事です。なに、まだまだ想像の余地というのは残されているものです。我々はギルドの指定したエリアでしか狩猟を許されていないわけですし、我々の想像でこの世界はまだまだ広がるでしょう。
ハ:とても勇気付けられるお言葉。その通りだと思います。ネットは広大※8です。お、居ました。
キ:草薙素子!っと、ペイントします。
ハ:よくやってくれたわ、バトー。

 ひとしきり戦闘。
リオレウスの空中飛び退き連続ブレスにランスのガードで耐えるハンター氏。
キ:対ブレス判定レジスト(抵抗)! セービングスロー※9成功ですね。
ハ:これぐらいミナガルデ出身なら誰でもできるです!※10 それより、アーマークラス※11を下げないとつらいです!
キ:あー、オレもアーマークラスで言ったらせいぜい7か6ってとこだろうなぁ。※12

 尻尾切断して剥ぎ取りながら。
キ:リオレウスはまさにレッドドラゴンのイメージですよねー。
ハ:うーん、ヤツは腕がなくて翼しかないので……。
キ:あ、そうか。ドラゴンではなくワイバーン※13種になりますね。
ハ:そうですそうです。レッドドラゴンにあたるのはミラバルカン※14でしょうね。
キ:そうでしたそうでした。

 戦いの合間にも、ガンナーはマジックユーザーという事でいいとして、シーフ(盗賊)にあたる片手剣のアクションをもっとトリッキーなものにしてもいいのではないか。バック・スタブやハイド・イン・シャドウ※15などのスキルをもっと体感できるように再現していただきたい! とか、次に新要素を追加するならクレリック(僧侶)にあたる回復系の専門職はどうだろうか、いや、それだとクエストがえらく簡単になりはすまいか、バランスブレイカーになりえる危険な存在であるし、スキルとして用意されている広域+2を付ければ済む話である却下! とか、さすがにマニアックすぎる討議が続けられたので割愛。

 無事にリオレウス討伐完了。
剥ぎ取り後のまったり時間。
ハ:おお、まだからだのふるえがとまらない。リオレウスをたおしたぞ!
キ:あっ、マジクソの勇者だ!

 街に帰り、お別れの時。
キースの方からフレンド登録のお願いをしてみた。
しかし、ハンター氏はフレ登録はしない主義※16とのこと。
キ:最後に聞いて良いですか?
ハ:1つだけですよ!
キ:えー>(°д°)ゞ なんで貴方ほどの方がHUNTERという名前なのですか?
ハ:ロックラックで最もありふれている名前だから……というのは嘘で、キャラクター作成の時に名前欄を見逃してそのまま初めてしまったのです。「名前を変える」という項目がゲームスタート時にあるじゃないですか。じゃあ、いつでもキャラクターの名前を変えられるのかな、と。
キ:ああ、オレも勘違いしていました。セーブファイルを区別するための名前なんですよね、あれ。
ハ:さよう。私は最初からカプコンに負けていたのです。貴君もゆめゆめご油断召されるな。では、ちゃお☆

 ハンター氏が見えなくなっても、キースは深々と頭を下げ続けたのだった。

※1:ダンジョンズ&ドラゴンズ……テーブルトークRPGルールシステムの元祖。キャラクターを作って遊ぶプレイヤー(冒険者)と、ルール&シナリオ管理や行動判定を行うゲームマスター(神)との対話で進められる。現在、3rdルールが主流で、それまでのルールとは別物レベル……らしい。私は初代のルールシステムで遊んでいました。基本的な判定は全て20面体ダイス(サイコロ)で5%刻みの判定と、とても大雑把なシステムながらも、ものすごいテストプレイが重ねられたノウハウの塊のルールだったので、絶妙なゲームバランスで遊ぶ事ができた。シナリオセットなども充実しており、同じシナリオセットで遊んでいれば知らないプレイヤーとも思い出話ができたりする不思議。「孤島探索で恐竜狩り」とか「謎のピラミッド開拓」など、嫌死(いやし)的な思い出ばかりです。
【ダンジョンズ&ドラゴンズ日本語版公式ページ】
http://www.hobbyjapan.co.jp/dd/

※2:魔界村……初代アーケード作品は1985年リリース。鎧騎士アーサーが、大魔王ゴンディアスにさらわれた姫=プリンセス・プリンプリンを奪還するために一人、魔界と化した暗黒の領域を攻略して進む、横スクロールアクションゲーム。主人公アーサーはダメージを受けると鎧がキャストオフして一気にパンツ一丁になり、その状態でダメージを受けると一瞬で白骨化する愉快なシステムとなっている。超絶的な難しさで、当時の子供のおこずかいを搾取していった。次いで『大魔界村』がリリース(1988年)。メガドライブで移植されて友人の家で遊ばせてもらいました。すぐ挫折しました。次いでスーパーファミコンでシリーズ新作『超魔界村』が出る(1991年)。私がクリアできたくらいなので、『大魔界村』よりは簡単だった。どの作品も2周しないと真のエンディングにはならない鬼のような伝統の仕様。1周目は大魔王の作り出した幻だったのです。PSPでは『極魔界村』というのも出ているようです。おそろしや。

※3:マジックソード……リリースは1990年のアーケード作品。愛称=マジクソ。暗黒の支配する世界に変えようとする魔王ドラクマーの企みを阻止するため、罠が張り巡らされた魔王の塔最上階の50階を目指して昇って昇って、昇り詰めては様々なモンスターと戦っていく横スクロールアクションゲーム。牢屋に捕われた様々なタイプの仲間を攻撃オプションとして連れて攻略する。このゲームの世界もモンスターハンターの通貨である〔ゼニー〕が使われ、ゼニーを消費(ボタン全押し)する事で使用できる〔ゼニデイン〕という魔法がある。いわゆる、ボムとかメガクラッシュ。便利そうですがモンハンでそんなのあったとしても、もったいなくて私は使わないと思います。ラストボスの魔王を倒すと、災いの元凶であったブラックオーブを砕く平和エンドと対を成す、ブラックオーブを手にして自分が魔王になっちゃうぞ!という選択肢がある。意地悪な上級プレイヤーは、最後にあっさりと魔王になるのを選んでギャラリーに冷や水を掛けるのを得意とする。主人公の上半身裸マッチョ三つ編み剣士(1P)勇者アランの「オリャーッ!」という声が印象的。通称=男ワルキューレ。2Pのベルガーは確かハルバード持った青っぽい服装のオッサン。

※4:ザ・キング・オブ・ドラゴンズ……リリースは1991年。最大3人同時プレイ可能。レッドドラゴン・ギルティスの野望を砕いて財宝も手に入れてしまおう!と5人の冒険者が立ち上がる。ファイター:デレク、クレリック:アルド、ドワーフ:バルガス、ウィザード:レジェ、エルフ:ラベル。今見るとかなり荒削りな面が目立つ作品だが、当時は画期的で、こんなゲームが出る事が嬉しかった。上級者のソロプレイではエルフ(弓使い)使用者が多かった印象がある。

※5:ナイツ・オブ・ザ・ラウンド……リリースは1992年。万能剣士アーサー、俊敏騎士ランスロット、回転僧侶パーシヴァルの3人が主人公のベルトスクロールアクションゲーム。主軸にガードシステムがあり、敵の攻撃を上手くガードすると数秒だけ無敵になる事ができる。進行方向以外には効果がないため、敵の動きを読んで使いこなす必要がある。大勢の雑魚に囲まれるような場面ではあまり使えない。これをマスターしないと高次面を進むのは至難の業。クセがあって妙に冗長に感じるゲーム(基本的に、出てくる敵は全部倒さないと先に進まないのが原因か)ですが、ストイックにアクションゲームを攻略する人には好のまれた。良作。

※6:スライディングゲーム……敵の攻撃を躱しつつ、地面に落ちたアイテムや金品を瞬間的に回収できるため、スピード攻略を目指すプレイヤーのプレイは、終始スライディングする姿を見る事になる。とにかくなんでもかんでも高速で移動しまくるスライディング勇者が世界を救う。そんな勇者はちょっと嫌です。

※7:ゲイリー・ガイギャックス氏……(1938-2008)アメリカの作家。発音的には「ガイガックス」らしいが、日本では著作の名義などで「ガイギャックス」が定着。D&Dの制作者であり、公式世界観「グレイホーク」の創造者。著書に『ロールプレイング・ゲームの達人』などがある。やさしそーなヒゲ眼鏡のおっさんでした。69歳で逝去。(-人-)合掌。

※8:ネットは広大……士郎正宗『攻殻機動隊』1巻の主人公「草薙素子」の台詞より。肉体を捨ててサイバー空間とリアル空間の狭間を自由に行き来する存在となった主人公が、ラストシーンでリアル空間の夜景を見ながら言った言葉「ネットは広大だわ」のパロディ。バトーは素子の部下で相棒だったサイバーテロ専門の公安第九課の刑事。お互いなんとなく攻殻機動隊ネタが出ただけで、今回のD&Dネタには全然関係ありません。

※9:セービングスロー……Seving throw。略して「ST判定」などと呼ばれる。D&Dのルールでは「対スペル」「対ブレス」などの敵の放つ特殊な攻撃に対する抵抗のための判定数値をキャラクターごとに設定しており、20面体ダイスでこの値より上が出れば抵抗成功し、ダメージを半減、もしくは無効化する。

※10:これぐらいミナガルデ出身なら誰でもできるです!……ミナガルデはモンスターハンターの世界の大陸における最大の勢力を持つ国家。政治形態は王制らしい。ハンターなら一度は「わがままな第3王女」の依頼を受けているはず。ここでハンター氏の言いたかったのは、モンスターハンターの世界ならブレスを防ぐ事など、武器によるガードがあるので当たり前!とか、私のガード技術は鉄板です!というような自負だと思われる。

※11:アーマークラス……略してACと表記される事が多い。D&Dにおいては、鎧などを着用する事によって“ダメージを受ける確率が減る”という概念がありまして、攻撃が当たらないように防具を着たり魔法でバリアを張ったりするとアーマークラスの数値が下がって行きます。ACが低いと敵の攻撃がプレイヤー本体に届きにくいという事になる訳です。ハーフリングという小人さんは体が小さいぶん最初からこの数値が低い。迷宮探索宝探しゲームの『ウィザードリィ』シリーズはこのアーマークラスのシステムを採用しています。

※12:アーマークラスで言ったらせいぜい7か6ってとこだろうなぁ。……防具を付けない無防備な状態が「10」です。この時、レイア揃えで防御力120前後だったはず。下位のレイア揃えで受けるダメージの割合を考えるなら、これぐらいの数字のACなるかと思います。たぶん。

※13:ワイバーン……西洋の神話などにおいて、空を飛ぶ爬虫類的な巨大生物として出演する怪物。翼竜。骨格としての翼は腕が進化したものであるので、伝説のドラゴンよりは下位の存在とされる。対して、ドラゴンは翼の他に腕が生えているのでワイバーンなどとはまったく違う進化の末に産まれた神秘的存在と言える。腕が4本ある事になるもんね。ミラバルカン(ミラボレアス)はドラゴン型。

※14:ミラバルカン……初出はモンスターハンター2(ドス)。〈運命の戦い〉を意味する神話級の邪悪な竜ミラボレアス=黒龍がおり、火山の高温地帯に適応した黒龍をミラバルカン=紅龍と呼ぶ。他に、〈祖なるもの=ミラルーツ〉という、赤き雷撃纏う白い龍=祖龍がいる。

※15:バック・スタブやハイド・イン・シャドウ……盗賊の俊敏な動きを戦いに取り入れたスキル。敵の背後を取ったり、陰に潜んだり。

※16:フレ登録はしない主義……この件は本人のプレイスタイルやポリシーの問題で自由ですので、まったく構わないのですが、オンラインステータスをいつも「隠密」にしていてなおかつすごく意気投合して魂が通じ合うかのような会話をしていたのにフレ登録はしない主義という人に出会うと「この方はゲーム雑誌の攻略記事関係者、もしくは……カプコンの中の人ッッッ!?」などと邪推してしまう私がいる。まず、違うでしょうけども。ストーカーっぽい人に粘着されるフレンドさんが過去にいたのでその理由までは追求いたしませんが。ファミ通誌上でモンハンプレイ日記『日々、逆鱗日和』を書き綴って有名になった「角満」さんとか大変そーだなー( ̄∀ ̄)と思うわけです。キャラの名前バレすると名前検索で居場所を特定されやすいででしょうしね。そういった有名プレイヤーを血眼で探そうとする人たちがいるのを知ると結構ビビります。はふん。というか、今回は注釈の方が本文より多くはありませんかWyremさん。
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